神奈川県小田原市にある級小田原箱根商工会議所の解体工事おいて8月4日に最も危険性の高い吹付アスベストであるクロシドライトが高濃度で外部へ飛散した。石綿工事中の環境測定は作業場所出入口・集じん排気装置排気口・建物敷地境界4地点で測定を行うが、敷地境界4地点すべてで石綿の漏えいが確認された。
石綿の除去作業は8月2日に開始され、8月4日に県が環境測定を実施。8月5日に電子顕微鏡の分析が終わり2か所から1リットル中に14本の石綿が検出された。県は直ちに作業の中止を指示し、施工業者に原因究明を指示した。翌6日には残りの2か所からも検出された。2023年度の環境省の調査では住宅地域における石綿を含む総繊維濃度の平均値はわずか0.19本/Lであると発表している。今回の測定での石綿を含む総繊維濃度は最大で37本/Lであった。この数値は全国平均の197.7倍というとんでもない数値である。
県は1地点でのアスベスト検出量が、アスベスト製品の製造加工工場に対する基準値(敷地境界において10本/L)を超えたため、作業の中止と原因究明を指示したとされているが、上記の基準はクリソタイルという石綿の種類の基準であり、クロシドライトには適用できないことから県の説明が不適切であると、基準制定当時を知る委員が指摘した。また工場敷地境界というのは、住宅地域とは20~50mぐらいの緩衝地帯に挟まれている。建物のすぐ隣に住宅地や歩道があるこの箇所で製造加工工場の基準値を用いることは不適切であるとも言及している。
このことは専門家の間ではよく知られていることだが、都道府県などの自治体では理解されていない状態が続いており、同県は「理解が足りなかった。基準がないので昔からこれを使っていた。」と間違いを認めた。