アスベストの吸引で引き起こされるがんの一種である中皮種の特効薬となる次世代抗体医薬品の研究が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の事業に採択された。

 チームの中心メンバーである群馬医療福祉大学の辻祥太郎教授は「順調なら5年程で実用化できる。日本で開発製造する抗体医薬品として世界的な需要が見込める。」と話す。

 特効薬に用いるのは、辻教授が神奈川県立がんセンター在職時代に発明した中皮種向け抗体の「SKM9-2」。医療品メーカーである日本メジフィジックスが医薬品開発を行い、次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB)が量産態勢をとる。京都大学が医薬品効力の研究、理化学研究所が安全性の検証を行い、慶応大学が承認手続きを行う。

 辻教授によると、「中皮種はアスベスト吸引から40年ほどたって発症する。早期発見が難しく、有効な治療薬がない。国内の年間死亡者は約1500人で、今後30年ほど発症が続く見通し。中国など現在もアスベストを使用する国は複数あり、中皮種は今後、世界的に増えると危惧される。この研究は純国産技術を集結する研究であり、欧米に頼らず抗体医薬品を開発・製造できるよう体制を整えたい。」と見据えている。

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